開業計画書

 飲食店を開業するための事業計画、開業計画を立てます。

 飲食店開業計画ノートを作って、そこにどんどん思いついたアイデアを書き留めていく(参照どんなお店にするの?)ことで、どんなお店をやりたいのか、どんな内装にするのか、どんなメニューにするのかなどが、自分の頭の中で整理されてきて、だんだん自分が始めたい飲食店の形が見えてきます。

 ”大きな生簀があって、活きの良い魚が泳いでて、ビシッと一枚板の白木のカウンター越しに常連さんと話ができて、器は焼き締めが好きだから渋いのを揃えて、地酒と幻の焼酎を取り揃えて・・・・・・”

というようなイメージを膨らませることはすごく大事なことで、もちろんそれも開業計画の一部です。

 そのイメージしたお店をどうやったら開業できるか、開業してから軌道に乗るまでどうやって続けていくか、の具体的な開業資金の調達方法や、開業してからの資金繰り競合優位(他のお店より優れているというセールスポイント)などが、今回立てる開業計画です。



創業計画書、開業計画書の書き方

創業計画書

 開業計画書を専門家にお願いして、別紙でもっと細かいものを作成することもあるようですが、私の場合は、この開業計画書(創業計画書)1枚で融資がおりたので、この用紙だけでも問題ありません。
(添付が必用な書類は別です。添付が必要な書類については日本政策金融公庫で融資を受けるまでの流れを参考にしてください。)

 日本生活金融公庫で融資を受ける場合、飲食店の開業計画書は必ず作成しなければいけません。開業計画は融資を受けるためにだけ作るものではありませんが、ここでは日本政策金融公庫で融資を受ける際に作成する創業計画書(と日本政策金融公庫では呼ばれている)の内容に沿って、開業計画書の書き方を見ていきましょう。

 まずは、左側のページから。

開業計画書左



創業の動機

 飲食店を始める目的動機について自分の言葉で書きます。

【例】
これまでの飲食店の経験を活かし、田舎でも美味しいフレンチ、イタリアンが食べられるお店を始めたいから。
競合店のいない場所で広さも内装もちょうど良く家賃も手頃な居抜き物件に出会えたため。

経営者の略歴等

 飲食店での経験など、これまでの自身の職歴から開業するに当たっての退職予定までを記入します。

【例】
平成○年◯月〜 イタリアンレストラン 〇〇入社 4年勤務
平成○年◯月〜 〇〇ダイニング(個人店) 2年勤務
平成○年◯月〜 ビストロ〇〇(個人店) 2年勤務
平成○年◯月  同ビストロ退社予定

取扱商品・サービス

 飲食店の場合、提供する料理や飲み物の内容と特徴、価格を簡潔にまとめて記入します。

取扱商品・サービスの内容

【例】
ランチ パスタランチセット(売上シェア52%
(オードブル3点盛、プチデザート、コーヒー)1000円〜1800円 

ディナー 2800と4000円のコース料理(売上シェア48%
 (オードブル6点盛、サラダ、パスタ、お肉料理、デザート、コーヒー)
 ドリンク別 客単価4000円 

セールスポイント

 
 お店の売り、特長を自分の言葉で書きます。
【例】
全て手作りのちゃんと手間を掛けたフレンチ・イタリアンを提供する
シックで落ち着いた大人の雰囲気の内装、BGMにする

取引先・取引関係等

 販売先は飲食店の場合、一般個人です。
【例】
販売先 一般個人〇〇周辺在住の主婦
シェア100%
回収、支払いの条件即金

 仕入先は、すでに決まっている仕入れ業者があればその名前を書きます。もちろん近くの市場やスーパーなどでもいいでしょう。
【例】
仕入先 株式会社 食材屋
シェア50%
掛取引の割合100%
回収支払いの条件 実〆 翌月末日支払




 続いて右のページです。
開業計画書右

従業員

 予定している従業員の人数を記入します。夫婦二人で営むお店なら、
従業員数 1人 (うち家族 1人)
となります。

お借入の状況

 飲食店の開業資金以外の借り入れがある場合はここに記入します。住宅ローンや車のローン、クレジットカードでの借り入れなどです。それぞれの借り入れの残高、年間の返済額を正直に記入します。金融機関が調べればすぐに分かることなので不正は厳禁です。
【例】
お借入先 〇〇銀行 マイカーローン
お使いみち 車 
お借入残高 80万円
年間返済額 36万円

必要な資金と調達方法

 ここから数字的なことも出てきて、少しややこしいです。ですが、日本生活金融公庫の人はここからを見るといっても過言ではありません。ここの数字が無理な額で無く、きちんとやっていけそうか?ちゃんと返済できそうか?を見るのです。

必要な資金

【例】
設備資金
店舗、工場、機械、備品、車両など    800万円
(内訳)
 物件取得費   150万円

 内外装工事費  400万円
(◯◯社見積もりの通り)

 厨房機器    150万円
(◯◯社見積もりの通り)

 什器      100万円
(◯◯社見積もりの通り)

運転資金
商品仕入、経費支払資金など  200万円
(内訳)
 仕入れ   100万円
 開業諸経費 100万円

必要な資金の合計  1000万円

 物件取得費や工事費については一緒に提出する不動産屋や施工業者の見積もりにそって、必要な什器や備品はリストを作って金額を調べて根拠のある金額を入れます。適当な数字ではいけません。飲食店を開業するのに必要なお金の全額を記入します。

資金の調達の方法

【例】
 自己資金         300万円

 親、兄弟、知人、友人等からの借り入れ  100万円
( 内訳・返済方法)
母 3年据え置き
元金2万円×50回 利息無し

 日本政策金融公庫 国民生活事業からの借り入れ    600万円
元金8万円×75回(年◯.◯%)

 他の金融機関等からの借り入れ ○万円

調達する資金の合計   1000万円

 必要な開業資金から自己資金、親兄弟からの借り入れ(他の金融機関からの借り入れがあればそれも)を引いた額が日本政策金融公庫からの借り入れの金額になります。必要な資金の額と資金の調達の方法の額は同じにしなければいけません。

 この必要な資金と調達の方法は、店舗物件も決まって、施工業者に見積もりも出してもらい、必要な什器、備品もおおよそ見当がついて、全体にかかる金額が把握できていないと書くことができません

飲食店を開業後の見通し

 最後に開業後の見通しについて書きます。創業当初と軌道に乗った後とに分けて、それぞれきちんと計算して記入します。

 月の売上高仕入高経費(人件費、家賃、支払利息、その他)を算出し、利益を出します。

【例】
■売上高 92.5万円
ランチ 平均単価1300円×10人
ディナー平均単価4000円×6人
{(1300円×10人)+(4000円×6人)}×25日=92.5万円

■仕入高 32万3750円
 原価率35%(経験的に)
 92.5万円(売上高)×0.35=323750円

■経費 35万円
 家賃  12万円
 支払利息 1万円 借入金600万×年利率2%÷12=1万円

 (※支払利息は借入金に年利を掛けて12で割っ手計算します)
 人件費 専従者1人(妻) 10万円
 その他(光熱費、通信費、雑費) 12万円

■利益 25万1250円
  92万5千円(売上)-32万3750円(仕入)-35万円(経費)=25万1250円(利益)

 
軌道に乗ったらランチは倍の20人、ディナーは変わらず
原価は35% 光熱費、雑費などが3万円増

(という無理のない設定でこちらも計算して記入します)

これで、日本政策金融公庫の国民生活事業部の創業計画書は完成です。この開業計画書、事業計画書の作成は、ちょっとややこしいですが、一つ一つ考えていけば難しい事はありません。

 日本生活金融公庫で融資を受けられるかどうかではなく、自分が飲食店を長く経営していく事を考えて、無理のない開業計画、経営計画をたてましょう。予想以上にうまくいけばそれはそれでいいですが、逆は精神的に辛いです・・・。