飲食店を開業する「店舗物件を決める」のと「金融機関に融資を申請する」のは、どっちが先なの?
「店舗を決める」のと「融資を申請する」のどちらが先かというのは「店舗を決める」が先です。
※ここでは融資を申請する金融機関は日本政策金融公庫を前提として解説しています。
飲食店開業の融資を申請するには
日本政策金融公庫に先に行く
「店舗を決める」が先なのですが、飲食店を開業する地域が決まっているのであれば、店舗物件を決めるより前に、その地域の日本政策金融公庫に一度相談に行くことをお勧めします。
日本政策金融公庫に行って、融資の申請に必要な書類をもらい、申請の手続き、融資が決定するまでの期間などを実際に聞いて、店舗物件を見つけてから融資の申請をするまでの流れを把握しておきます。
申請をしてから、実際に融資が決まるまで1〜2ヶ月(もしくはそれ以上)かかるので、店舗物件を見つけたら融資の申請までをなるべくスムーズに短期間で進めていく準備をしておきます。
飲食店開業の資金融資の申請は、綿密な事業計画を立てて提出しなければなりません。
開業しようと決めた店舗物件の物件取得費はいくらなのか、その店舗での内装工事費はいくらかかるのか、その店舗に必要な厨房設備にはいくらかかるのかといった、決めた店舗物件に対してかかる開業費用をきちんと算出して開業計画書に書かなければ融資の申請すらできないのです。
融資をするかどうか決めるために日本政策金融公庫の人が実際に店舗を見に行くこともあります。融資を受けられるかどうかも店舗物件ありきなのです。
店舗物件を決める
店舗物件を決めてから開業資金の融資を申請しますが、「店舗物件を決める」は「店舗物件を契約する」ではありません。
店舗を契約すると店舗物件取得費が発生します。たとえその費用を払える自己資金があったとしても、融資が通らなければ内装工事もできない、厨房機器を揃えられない、開業できないではお話になりません。
なので、気に入った店舗物件を見つけたら、不動産屋に「お金が借りられたら契約したい」という旨を伝えます。
店舗物件というのは、普通の部屋を借りるのと違い、借りるだけでも結構な額のお金が掛かります。借りた後も内装工事や厨房設備などなど開業するまでに大きなお金が掛かります。そのことは不動産屋ももちろん分かっていますし、個人が飲食店を始めるときには、融資がおりてから店舗物件の契約をするは普通のことです。
手付金を払って店舗物件の融資が決まるまで契約を待ってもらったり、長いこと空いている物件なら手付金無しで待ってくれることもあるかもしれません。
開業資金の融資を申請する
この店舗物件で開業しようと決めたら、いよいよ動き出します。
決めた店舗物件で、きちんとした”事業計画”を立てます。店舗物件取得費の算出はもちろん、数社の施工業者に内装工事の見積もりを出してもらいます。内装工事の見積もりは、実際に店舗物件を見ながら話し合いをし、図面を引いたりと見積もりが出るまでに時間がかかります。必要な厨房設備、備品から運転資金まで開業に必要な全てのお金をはじき出して、日本政策金融公庫に必要な額の融資を申請します。
これまで、こんなお店を始めよう、こんな料理を出そう、こんなサービスを提供しようと自分の中だけで考えていたことが、店舗を借りる不動産屋、店舗の設計をする人や施工業者、開業資金の融資を申請する金融機関など多くの人を巻き込んで飲食店の開業に向けて本格的に始動するのです。