飲食店で独立する。

 私は自分で飲食店を始めるまで、”独立開業”という言葉自体に憧れのようなものを持っていました。

 「独立して自分で何かを始めるって、なんかそれだけでかっこいい」という非常にあさはかな考えが少なからずありました。

 ですが、30歳で独立したら、まあ、一般的な定年と呼ばれる年齢までに30年あります。その30年間継続して利益を出し続け、生活しなければいけないのです。

 当たり前のことですよね。



 分かってはいるんです。でも、この当たり前がなかなか「独立への憧れ」が邪魔をして、しっかりと考えられていなかったような気がします。

 飲食店に限らずですが、独立自体は目標でもゴールでもありません。独立してからの日々の仕事を継続していかなければなりません。

 私はいくつかの飲食店で仕事をし、小さなお店で自分で全部やる(雇われですが)というようなことも経験させてもらいました。

 それでも、自分のお店で毎日仕事をし、考え、試し、何かをする、ということを繰り返すことで、たくさんのことを学びました。これはお店を続けているからこそできることです。

 長く続けていくと、いろんな事が楽になります。そうなったら、また別の新しいこと(飲食店では新メニュー、新企画など)にチャレンジできます。

 継続は力なり!です。できれば3年は続けられるだけの資金、経験、気力が欲しいところです。

 実際に、私の周りの独立した人、自営業を営んでいるひとから、「3年は食えなかった」とか「3年はまったくだめだった」、「3年は我慢しないと」というようなことをよく聞きます。

 私自身のお店も3年たった頃、ようやく安定して来ました。

 逆に3年続けられないと、何がいけないのかすら判らないとも思うんです。3年の間にいろんなことを試行錯誤することで、見えてくることがたくさんあります。

 石の上にも3年、です^^