『個人経営の飲食店を開業するには?飲食店を始めるには?』をテーマに書いているブログです。
今回は、ちょっと開業すると言うよりは開業してからのことになるかもしれませんが、価格の設定について書いてみたいと思います。
今は、飲食店にとっては本当に厳しい状況にあります。
石油価格のいつまで続くのか分からない高騰、小麦に大豆、その他もろもろの世界的な規模の食糧不足から引き起こされる食料品の価格高騰。
これから、飲食店で独立開業しよう!と考えている人にとってもちょっと二の足を踏んでしまう状況ですよね。
ですが、私のように自分でお店を始めていると、そんな世界的な状況であっても、何とか策を講じて乗り切っていかなければなりません。
数年前から、業者からの仕入れか価格はどんどん上がっていましたが、私は料理の値段を一切上げませんでした。
しかし、これ以上の我慢はお店の存続にかかわる、と言う状況にいよいよなってしまいました。
もちろん、これまでも仕入先の変更やメニューの創意工夫などをして、何とか原価率を抑える努力をしてきましたが、それだけでは吸収しきれないくらい大幅に食料品全体の価格が上がってしまったのです。
私のお店よりもっと前から、何度も値上げを繰り返しているお店もありますし、逆にお店の前に『価格凍結宣言!!』なる張り紙を出しているお店もあります。
こういった状況の判断も、当然自分のお店なのですから、自分でしなければなりません。
『値上げをする』事自体は簡単です。
が、仮にランチの価格を100円上げたとします。800円を900円にしたとします。
それまで平均20人のお客さんが来てくれていたのが、その値上げによって3人減り、平均17人になってしまったら、800円でやっていたときのほうが、単純に売り上げだけを見れば良かったことになってしまいますよね。
かといって、値上げを一切せず、質も落とさずと言うわけにもいきません。特に、個人経営のお店の場合、そもそも大手企業の飲食店に価格競争で勝つ、と言うのはなかなか難しいと思います。
『値上げをする』か否かは、もちろんそのお店の形態や周りの環境にもよると思います。
私が『値上げをする』ことにしたのは”いいものを安く”と今までは考えていたのですが、それを”いいものをそれなりの価格で”と考えることにしたからです。
私のお店は高級店ではありません。店のたたずまいも特にかっこいい箱で呼べるレストランでもありません。
私のお店の売りはやはり”料理”しかありません。なので、料理の質を落とすことはできません。
結果としては、値上げをして良かったと思っています。
「大変だね~、いろんな物が上がっちゃって、いやいや、謝らなくて、いいんだよ」と言ってくれるお客さんもいます。
この値上げを全てのお客さんが受け入れてくれている、とは思っていませんが、とにもかくにも、私は自分のお店がちゃんと利益を上げて、続けていけるように考え、決断し実行していかなければならないのです。
今年になって、私のお店の周りでも何軒かのお店が辞めてしまいました。
今は飲食店で開業するには厳しい状況にあるかもしれませんね。
でも、バブル崩壊後いい状況って特にないと思いますし、景気が良くなれば、その分金利や保証金と言ったものが高くなりますし・・・。
自分のお店を始める時期と言うのも、この値上げ同様、自分で考え判断し実行する一番最初のこと、になるのだと思います。