個人経営の小さな飲食店といえども、開業するためにはそれなりのお金がかかります。
飲食店を開業するのに資金はいくらくらい必要なのか、そのうち自分で用意するお金、自己資金はどのくらい必要なのか。
ものすんごく気になるところですよね。
飲食店を開業するにはいくら資金が必要?
飲食店を開業するのに必要な資金は、個人経営の小さな飲食店でも1000万〜1500万円ほどかかると言われています。ですが、1000万〜1500万円という開業資金は、あくまで目安です。
開業資金は、どんなお店を、どこで、どんな風に始めるかによって大きく変わってきます。色んな人のおおよその開業資金が公開されている書籍でも、ほとんど資金をかけず40万円で開業した人もいれば、1500万円超という人もいます。
私は、東京の山奥の居抜き店舗で始めたので、開業にかかった金額は約500万円でした。人それぞれ始めたい飲食店のスタイル、場所、広さ、譲れないもの譲れるものが違うのですから必要な開業資金が違ってくるのは当然です。
必要な開業資金は人それぞれですが、個人が準備できる自己資金、金融機関から融資してもらえる金額から考えて、多くても1000万円〜1500万円までの資金で飲食店を開業させている人が多いのだと思います。
飲食店開業に必要な自己資金
開業に必要な資金の総額というのは、飲食店をはじめる店舗物件を決めてからでないと算出できませんし、選ぶ店舗物件によってその金額は大きく違ってきます。ということが前提ではありますが、必要な開業資金のうち、いくら自己資金が必要なのかについて見てみます。
日本政策金融公庫の総合研究所調べによると、新規開業の資金調達先はこのようになっています。
自己資金 | 305万円 | 27% |
---|---|---|
金融機関等 | 704万円 | 61% |
親族 | 73万円 | 6% |
その他 | 69万円 | 6% |
合計 | 1151万円 | 100% |
この数字は飲食店の新規開業だけではありませんが、新しく事業を立ち上げるのに用意している自己資金は27%で必要な開業資金の約3割です。それに対して金融機関等からの借り入れが61%で約6割。
開業資金が1000万円必要な場合、自己資金は3割の300万円を準備すれば、日本政策金融公庫から600万円の融資を受けられると考えていいのではないかと思います。
もちろん、事業計画の内容や担保の有無なども融資できるかできないかに影響しますし、もしくは減額ということも考えられますが、日本政策金融公庫が公開している数字なので、このくらいの割合で自己資金を用意すれば、融資を受けられる可能性があるということです。
自己資金から開業資金を考える
上でもちょっと書きましたが、必要な開業資金は店舗物件によって大きく違ってきます。家賃15万円の居抜き物件と家賃30万円のスケルトン(何にもなく配管から作る状態)では、開業にかかってくる金額が全く違ってきます。
必要な開業資金がいくらなのか分からないので、もう少しお金が貯まったら開業を考えようという人もいるかと思います。
でも・・・もう少しっていくら?
私は、逆に今自分が用意できる自己資金から、どうやったら開業できるかを考えました。
いま自分が持っているお金はいくらいなのか?親、兄弟、親戚などに頼んで借りられる額はどのくらいなのか?
日本政策金融公庫の資金調達先として「親族6%」となっています。親族から借りられれば、利息や返済期限を融通をきかせてもらえますし、金融機関から借りる分が少なくて済みます。
仮に自己資金が200万円で、親に100万円借りられたとして、金融機関の自己資金比率から考えて(もちろん融資の可否はこれだけではありませんが)400万円くらいの融資を受けられる可能性があります。融資を受けられたら合計700万円です。
私は当てにしていた親からまったく借りることができず、自己資金300万円、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)からの融資400万円の合計700万円で飲食店をはじめられる店舗物件を探して開業しました。
用意できる自己資金からリアルに飲食店の開業を考えてみるのも一つの方法です。
飲食店を開業するのに必要な自己資金の額は人それぞれではありますが「お金を貸してもらえますか?私は全く貯金は無いのですが・・・」では、金融機関はもちろん、親や親戚であってもなかなか借り辛いですよね。