『個人経営の飲食店を開業するには?飲食店を始めるには?』をテーマに書いているブログです。

原価率とは

 「原価率」という言葉は飲食店に限らずよく聞く言葉ですよね。

 原価率とは「売上に対する原価の比率」のことです。

 売上に対して、その売り上げた商品(飲食店の場合、料理や飲み物のことですね)を作るためにかかった材料費の合計(原価)が、どのくらいの割合を占めているかを表した数値です。



原価率の計算の仕方

 原価率の計算を、すこぶる単純に考えてみます。

 30円で仕入れたものを`100円で売ったとします。このときの原価率は30%です。

原価率を求める計算式は

売上原価 ÷ 売上高 × 100=売上原価率(%)

 売上原価が30で売上高が100なので

30÷100×100=30(%)

となります。



飲食店の原価率

 個人経営の小さな飲食店の場合、この原価率はどれくらいなのでしょうか?

 私が昔いたホテルなどでは、原価率は33%でした。が、別のホテルでは原価率21%でした。

 私の嫁さんが働いていた何店舗も展開している外食産業では19%と言っていました。

 更に来るお客さんも分かっていて、料理も決まっているような結婚式場に至っては13%という恐ろしいい原価率のところでも働いたことがあります。

 原価率は、その営業のスタイルによって大きく変わるものだと思います。もちろん減価率は抑えるに越したことは無いのですが、個人経営の飲食店の場合、あまり原価を抑えることに走ると、大手の飲食店との差が見えにくくなってしまうような気がします。

 居酒屋、ラーメン屋、焼き鳥屋、焼肉屋、そば屋、小料理屋、イタリア料理屋、バー、中華料理屋などなどその飲食店の業態によって原価率の相場も違うと思いますが、料理がメインのお店ならば大体30%前後というのが一般的です。

 飲食店での経験のある方ならば、相当変なことをしない限り原価率が40%を超えるというようなことは無いと思います^^

 もちろん、あくまでもこの原価率は私のお店の場合の話です。私の店は嫁と二人でやっているので、基本的に人件費というものがかかりません。

 人を使ってお店をやるのであれば、その分、原価も抑えなければいけませんよね。

 原価率という数字を把握しておくことは個人経営の小さなお店といえども大事なことです。

 仕入れを工夫して原価を抑えることは大事だと思いますが、単純に材料の価格を下げる=質を落とす、ということは本当に慎重にやらなければいけません。

 いくら原価率を落としても、お客さんが離れてしまっては本末転倒です。

メニューの原価率と飲食店全体の原価率


 飲食店では、それぞれのメニューの原価率を計算する必要があります。きっちりでなくても、大体の原価率を計算しておかなければ、価格の設定ができません。

 ひとつひとつのメニューの原価を計算しておくこと把握しておくことは大事です。それと同時に飲食店全体の原価、原価率もしっかりおさえておきたいところです。

 メニューの原価率は、すべてが30%という具合に一定ではありませんから、どのメニューがいくつ出るかによっても全体の原価率は大きく変わってきます。また、実際の営業ではロスが出てしまったりもするので、メニュー個別の原価、原価率から予想される数字と、実際のお店の売上に対する原価、原価率は違ってきます

 さらに、メニューの原価率の原価には、当たり前ですが店舗の家賃や電気ガス水道といった光熱費、アルバイトの給料などは入っていません

 今月はどのくらい売上が上がっているのか、そして、仕入れ、家賃、光熱費、アルバイトの給料、その他の備品の購入などにどのくらい経費がかかっているのか、利益はどのくらいなのか、前の月と比べて、去年の同じ月と比べて売上や経費、利益は上がっているのか、下がっているのかといった飲食店全体のお金の動きを知ることが飲食店の経営にとっては大事になってきます。
 

メニュー個別の原価・原価率を計算する ⇒実際の売上に対する原価・原価率を見る ⇒仕入れ以外の経費を差し引いたお店の利益を把握する

とここまで面倒くさそうなことを書きましたが、会計ソフトを使えばそういった数字は簡単に把握することができます

 会計ソフトは、確定申告のために使われるイメージが強いですが、飲食店の日々の経営状態、お金の動きを視覚的に理解できる便利なツールです。

 私が使っている会計ソフトfreee(フリー)を例にどんな数値を見ることができるのかを簡単に紹介します。

収益レポート

収益レポート
 収益レポートは売上のレポートのことです。月ごとの売上の推移はもちろん、品目を設定しておくことで、料理と飲料のそれぞれの売上やランチとディナーの売上といったように分けて売上を見ることもでます。

費用レポート

費用レポート
 費用レポートはかかった経費のレポートです。
 仕入れ、家賃、光熱費、広告宣伝費、新聞図書費、交際費など、何にどれくらいの金額がかかったのかをひと目で知ることができます。今月、先月、ここ3ヶ月、半年、一年など期間を指定すればその期間にかかった経費を数字でもグラフでも見ることができます。

損益レポート

 損益レポートは、収益レポートと費用レポートを一緒に見るようなレポートで、すこぶる簡単にいうと、どのくらい儲かっているのかという利益を見ることができます。

現預金レポート

 そのまんまですが現金と預金が今いくらあるのかを見るレポート。特に開業前と直後はお金の出入りが激しいので、現金・預金の動きはきちんとチェックしておきたいです。

 会計ソフトのfreee(フリー)では、これらのレポートの他にも売掛金や買掛金のレポート、資金繰りのレポートなど、様々なレポートや数字を見ることができます

 メニュー個別の原価をこのレポートで見ることはできませんが、収益レポートの「売上の額」と費用レポートの「仕入れの額」から売上に対してかかった原価、全体の原価率なども簡単に計算することができます

 飲食店を経営していく個人事業主として、このレポートの数字を知っておくことは、メニューひとつひとつの原価を知っておくことと同じくらいとても役に立ちます。

 そもそも原価・原価率は、先に書いたように、何パーセントが良いというものではありません。飲食店の業態や、家賃、光熱費、広告費、支払う給料などによって掛けられる原価も変わってきます

 予想以上に原価の占める割合が高いようなら、工夫して原価を抑えることが必要ですし、逆に予想していたよりも原価の占める割合が低いようであれば、その分をお客さんを惹きつける魅力的なメニューに投下したり、宣伝広告費に当てたり、アルバイトや従業員に還元して士気を上げるなど有効に使うことができます。

 freee(フリー)は会計ソフトなので、こういったいろいろなレポートが見られることはもちろん、飲食店の経理がとっても楽できます。

 会計ソフトと事業用の銀行口座や事業用のクレジットカードと繋げておくだけで、自動で取り引きを取り込んでくれるので、いちいち明細を見ながら入力する必要がありません。

 事業用のクレジットカードについてはこちらで詳しく書いています。

 飲食店に限りませんが、個人事業主であっても法人(会社)であっても事業を始めたら、ビジネスカードを持っておくべきだと思います。  ビジネスカードとはお仕事専用の事業用
 
 スマートフォンからの入力もスムーズにできますし(パソコンからでも)、スマホでレシートの写真を撮るだけで経費の入力ができます

 もちろん、所得税の確定申告の申告書も、消費税の申告書も簡単に作ることができます。

 会計ソフトについてはこちらで詳しく解説しています。

 飲食店の開業をするときに「経理」を気にする人も多いと思います。  飲食店の経理って何をするの?確定申告って何?確定申告って自分でできるの?会計士とか税理士とかに

 会計ソフトをまだ使っていない、使ったことがない人は、ここで紹介した会計ソフトのfreeeは30日間無料で使えるので、ぜひお試しあれ。