個人経営の小さな飲食店を開業するにはをテーマに書いています。
今回は、飲食店を開業したら、確定申告をしなければいけません。確定申告とは何なのか、どんなことをやるのが確定申告なのかということを書いていきます。
もくじ
そもそも確定申告って何?
給与所得者、いわゆるサラリーマンは、お給料の明細を見ますと、給料から、健康保険料、年金、雇用保険、住民税などと一緒に「所得税」という税金も差し引かれています。なので、サラリーマンは税金のことなど考えなくても、会社が勝手に税金を徴収しています。しかも、多く徴収した分は、年末に「年末調整」という名前で、ちゃんと返ってきます。
しかしながら、飲食店を自分で開業した「個人事業主」は、自分で税金を払わなければいけません。お店を始めたら、払う税金の額を自分で計算して税金を納めます。税務署から、これだけ税金払ってください的な連絡が来るわけではありません。
自分の所得を確定して、払う税金を計算して、それを税務署に申告するのが確定申告です。
どんなことをするのが確定申告?
確定申告は、自分で税金を計算して納める制度です。では、具体的にはどんな計算をして税金を算出るの?について。
売上と経費と所得
まず、飲食店の毎日の売上(うりあげ)、お客さんから頂いたお金の合計を出します。
その年の1月1日から12月31日までの売上の合計です。お店を始めた年は始めた日からその年の12月31日までの売上の合計です。
もちろん、この売上というのは、まるまる自分の儲けではないですよね。料理を作るための材料を仕入れたり、お酒を仕入れたり、お皿やグラス、伝票やボールペンだって買わなくちゃいけません。
このお客さんにお金を頂くためにかかったお金、売上を出すために必要だったお金のことを経費(けいひ)と言います。そして、売上からこの経費を引いたものが儲けで、このことを所得(しょとく)と言います。
となります。この所得にかかるのが「所得税(しょとくぜい)」です。所得にかかるのですが、この所得にいきなり税金がかかるわけではありません。
控除と課税所得
所得から控除(こうじょ)を引いたものに税金がかります。控除は「こうじょ」と読みます。こういった日常生活ではまず使わないような言葉が結構たくさん出てきます。こればっかりは、覚えていくしかないんですね~^_^
で、控除には、みんな一律に引かれる基礎控除(きそこうじょ)や、嫁さんがいれば配偶者控除(はいぐうしゃこうじょ)、医療費が沢山かかったら医療費控除(いりょうひこうじょ)、健康保険料とか年金を払った分は社会保険料控除(しゃかいほけんりょうこうじょ)などがあります。
ようするに、当てはまる控除の分は税金かかりませんよ~所得から差し引いていいですよ~ということです。
課税所得は「かぜいしょとく」と読みます。税金が課せられる所得です。
税率
課税所得に税率(ぜいりつ)をかけたものが納める所得税の金額となるのです。この税率は課税所得の額によって変わってきます。所得税は儲かってる人はたくさん税金を払うという仕組みになっています。
課税所得の金額(千円未満切り捨て) | 税率の% | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超~1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円超〜4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
となっています。表の右の控除額というのは、税率をかけたものから引く金額です。なんでこんな面倒くさいことになっているのかと言いますと、
課税所得(税金がかかる所得)が195万円の場合、その5%にあたる97500円が納める所得税です。これが1万円増えた196万円になると、税率が10%なので196000円になってしまいます。1万円しか変わらないのに払う税金が10万円近くも増えてしまうことになります。
で、控除額を引くんですね。196000円から97500円を引いた98500円が払う税金です。
こんな感じに自分が納める税金の金額を自分で計算して、確定申告書などの書類を税務署に提出をして、税金を納めるという一連の作業が確定申告です。
はじめての確定申告は、専門用語も多く、難しく感じることもあるかもしれませんが、ここで説明した確定申告の計算は会計ソフトを使えば勝手に計算してくれるので、実際はそれほど難しいことではありません。
確定申告というのは自分で税金を計算して、税金を納めるものなんんだなというくらいの認識で大丈夫です。
確定申告をなんとなく理解したら、会計ソフトを何を使うかの方が確定申告をスムーズにするためには大事かと思います。