飲食店の経理

 飲食店の開業をするときに「経理」を気にする人も多いと思います。

 飲食店の経理って何をするの?確定申告って何?確定申告って自分でできるの?会計士とか税理士とかに頼むの?について書いています。



経理って何?確定申告のこと?

 小さな飲食店の経理は複雑ではありません。「提供した料理や飲物の代金をお客さんから受け取った」「料理を作るための材料や備品を買ったお金を払った」ということを帳簿に付けていきます。毎日の帳簿付けは基本的にこれだけです。

 人を雇っていれば給与の支払い、家賃や光熱費、電話代の支払いなど毎月のことは月に一回支払いをして帳簿に付けます。そして、年に一回、確定申告のために必要な帳簿を作って、税金の計算をして、税金の支払いをします

 入ってきたお金、出ていくお金を管理して、そのお金の動きを帳簿に付けて、税金の計算をして支払うのが飲食店の経理です。確定申告は経理の一部です。飲食店の経理は、確定申告のために帳簿をつけるというイメージがありますが、本来は、毎日、毎月のお金の出入りを把握して、無駄な支出を抑えたり、先の予想を立てたりするためのものです。

飲食店の経理に欠かせない会計ソフト

飲食店の経理

 飲食店の経理は確定申告のためだけではないとはいえ、やはり確定申告は気になるところだと思います。

 確定申告を青色申告で65万円の控除を受けるためには複式簿記(ふくしきぼき)という方法で帳簿を作らなければいけません。必要な帳簿は仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳。
 見ただけで、嫌になってしまうような漢字の羅列ですが、会計ソフトを使って毎日の帳簿付けをすれば、勝手に複式簿記で記帳して、青白申告のときに必要な帳簿も勝手に作成してくれます。

飲食店の経理におすすめの会計ソフト

 個人事業主で飲食店を開業するのであれば、会計ソフトは1年間で1万円くらいから使えます。有名どころのおすすめ会計ソフトをご紹介します。

 サポートがついている、年額の使用料、使い勝手の良さで、おすすめ順にランキングしています。

  1. MFクラウド確定申告

     私も使っているMF(マネーフォワード)クラウド確定申告です。メールやチャットでのサポートがついているプランの中で、年額8800円と最も安いのも小さな飲食店にとっては嬉しい。
    ベーシックプラン サポートあり 年額8800円

  2. freee(フリー)

     freee(フリー)は、”会計・簿記の知識不要”、”領収書の管理から確定申告までスマホで完結”が特徴のクラウド会計ソフトです。 フリーランス向けのスタータープラン(年額9800円)もありますが、飲食店向けのプランはスタンダードプラン サポートあり 年額19800円

  3. やよいの青色申告

     業務用のソフトの最大手やよい。
     サポートなしのセルフプランはなんと1年間無料!(次の年から年額8640円)
    ベーシックプラン サポートあり 年額12960円(最初の一年は6480円)

飲食店の経理におすすめの会計ソフトをもうちょっと解説

 飲食店の経理に便利で欠かすことのできない会計ソフトの選び方をもう少し詳しく掘り下げて説明していきます。

 私は「やよいの青色申告」から「MFクラウド確定申告」へ引っ越し、現在は「freee」とMFクラウドの両方を使っています。

 ここで紹介している3つの会計ソフトのどのソフトを使っても、当たり前ですがきちんと飲食店の経理、帳簿付けができて、確定申告の書類を提出することができます。

 では、それぞれの会計ソフトの違い、料金の違いは何なのでしょうか。

 それぞれの会計ソフトのプランを選ぶときに、経理の初心者が特に注目しておきたい特徴についてまとめました。

飲食店の会計ソフト選びで気をつけたいこと

サポートが付いているか

 それぞれの会計ソフトのプランをざっと見ると、メール・チャットでのサポートがあるか、電話でのサポートがついているによって大きく料金が違っています。

 会計ソフトを使えば「簡単らくらく確定申告!」と各社謳っていますが、経理の知識が全くない人が、いきなり会計ソフトをガンガン使いこなすことは正直に言ってちょっと難しいです。

 難しいと言っても、飲食店を開業するときの手続きと同じで、初めてのこと、知らないことがあるから戸惑うということで、会計ソフトを使えるようになると、会計ソフトなしでの帳簿付けや確定申告は考えられないくらい確かに「簡単らくらく確定申告!」なのです。

 なので、はじめて帳簿付けをする、確定申告をする、会計ソフトを使うという人にとって、会計ソフトの使い方や、帳簿の付け方などわからないことを聞くことができるサポートがついているかどうかはとても重要です。

 私は十数年、個人事業主として確定申告をしていますが、それでもサポート付きのプランを選んで、今でもチャットでのサポートをよく使っています。
 なぜって、会計ソフトの使い方や経理のやり方で分からないことは、自分で色々調べるよりも、そのソフトのプロで、経理のプロに訊くのが早いからです。

確定申告書が簡単に作れるか

 会計ソフトを使って確定申告書をなるべく簡単に作りたいと思っている人は多いと思います。確定申告が簡単に作れるかは大きなポイントになります。

消費税の申告書も作れるか

 飲食店は、家賃、光熱費、仕入れなど経費が多く掛かる業種なので、小さなお店でも年間の売上が1000万円を超えるケースのほうが多いと思います。
 消費税の申告書も作れるかも重要です。

飲食店の消費税
 飲食店を開業したら、納めなければいけない税金のひとつ、消費税についての話です。  飲食店では、仕入れ業者から仕入れる食材、スーパーで買う食材、トイレットペーパーやボ

日々の帳簿の入力がしやすいか

 飲食店では、毎日売上があり、だいたい毎日仕入れがあります。ので、日々の帳簿付けがしやすいかというのも大事なポイントになってきます。

MFクラウド確定申告ベーシックプラン


【MFクラウド確定申告】

プラン名年額料金
税抜
備考
フリープラン無料年間50仕訳まで
ベーシックプラン8800円サポートあり
消費税申告なし
電話サポート付きプラン17800円電話サポートあり
消費税申告なし

※サポートありはチャット・メールでのサポートです

 MFクラウドのベーシックプランは、年額8800円と、サポートの付いているプランの中では、最も安い料金になっています。

 MFクラウドはとってもシンプルな設計の会計ソフトで、会計事務所で最も好まれている会計ソフトです。

 経理や確定申告がなんとなく理解ができているひとにとっては、使いやすい会計ソフトです。

 MFクラウド確定申告では消費税の申告書(確定申告は所得税の申告)の作成には、他のソフトが必要になります。
⇒消費税の申告について

会計ソフトの価格重視で小さな飲食店で年間の売上が1000万円以下ならMFクラウド確定申告のベーシックプラン

やよいの青色申告ベーシックプラン


【やよいの青色申告 】

プラン名年額料金
税抜
備考
セルフプラン 8000円1年目無料
サポートなし
消費税申告あり
ベーシックプラン12000円1年目6000円
電話サポートあり
消費税申告あり


 やよいの青色申告の特長は、電話サポートがついていて1年目は年額6000円と安いところです。(2年目から12000円)

 そして、消費税の申告書も作ることができます

 MFクラウドとやよいの設計は、よく似ていてシンプルで経理や確定申告の経験者にとっては、問題なく使いやすい会計ソフトです。

 経理や確定申告がなんとなく理解ができていて、消費税の申告書まで作りたい人ににおすすめです。

 電話サポートについては、一番使いたい確定申告の時期はほんとに繋がりません。やよいの公式のサイトで「電話が繋がりづらくなっている。30分以上待たせる」とアナウンスしているくらい繋がりません。ので、そのくらいのものだと頭に入れておく必要があります。

初期投資を抑えて電話サポートが欲しい人はやよいの青色申告 ベーシックプラン

飲食店の確定申告ならfreee(フリー)のスタンダード


【freee(フリー)】

プラン名年額料金
税抜
備考
無料無料30日間無の料使用
スターター9800円サポートあり
消費税申告なし
スタンダード19800円サポートあり優先
消費税申告あり
プレミアム39800円複数店舗経営向けプラン
電話サポートあり

※サポートありはチャット・メールでのサポートです
 freeeは、とにかく「はじめての人でも確定申告書を簡単に楽に作れる」ということにこだわって設計された会計ソフトです。

 経理や確定申告のプロにとっては逆に「分かりにくい、使いづらい」という声を聞きますが、それは経理初心者にとって優しい設計になっているからです。

 

確定申告初心者の飲食店オーナーにfreeeのスタンダードを薦める理由

確定申告書の作成が分かりやすい

 確定申告の書類を作る決算が、質問に◯×で答えて必要なところだけ入力していくというとても分かりやすい設計になっている。

消費税の申告書まで作れる

 消費税の申告書もfreee内でできる。消費税は年間の売上が1000万円以上になると納める必要があります。

スマホから簡単入力

 スマホでの入力のしやすさは現時点(2018年8月)で、freeeが最も優れている。毎日の売上の入力やレシートをカメラで撮影しての経費の入力など、日々の帳簿付けはほぼスマホでできる。

 freeeのスタンダードにはメール・チャットでのサポートがついているので、最初に上げた飲食店の会計ソフト選びで気をつけたいことをすべて満たしているのがfreeeです。

 ここでおすすめしている会計ソフトの中では、年間の料金が一番高いのですが、他の会計ソフトとの金額の差は年間で約1万円、月々にすると千円弱程度です。

 私が実際に使ってみて、経理・確定申告初心者にとっては、その価格分の価値が十二分にあると感じました。

飲食店の経理や確定申告がちょっと不安、確定申告書、消費税の申告書をスムーズに作りたいならfreeeのスタンダード