飲食店、飲食業の確定申告について書いています。

 飲食店を開業して、確定申告のことを調べていると、「青にするか、白で行くか、、、」「青色申告がお得らしいけど大変らしい、自分にできるの?」「そんなに違うの?」最初にぶつかる壁ですよね。

 結論から言いますと「青色申告」にしてください

 と言いますのも、白色申告を選ぶメリットらしいメリットが見当たらなくなリました。2014年(平成26年)からは、白色申告も記帳義務と領収書の保管義務が所得の金額にかかわらず課せられるようになりました。

 これまで、白色申告の唯一といってもいいメリットが無くなってしまったのです。



青色申告のメリット

 白色申告は、青色申告のようなきちんとした帳簿を作らなくていいということになってはいるのですが、小さな個人経営の飲食店の帳簿は元々そんなに複雑ではありませんし、会計ソフトを使えば、勝手に複式簿記で記帳してくれますし、青色申告に必要な帳簿も自動で作ってくれるので、白色申告を選択する理由がありません。

 そして、小さな個人経営の飲食店、飲食業は青色申告のメリットをすこぶる受けるのです。青色申告にするメリットを一個ずつ見ていきましょう。

青色申告特別控除というメリット

 

青色申告特別控除(あおいろしんこくとくべつこうじょ)

 まず、これですね〜。青色申告でちゃんと帳簿を作るから、特別に控除していいよ〜ってものです。帳簿のレベルによって、10万円控除65万円控除があります。

 「控除」は所得から引いちゃっていいよ、引いちゃった分は税金かかんないよ!というものです。なので、税金が10万円安くなるとか65万円安くなるというものではありません。

 じゃー、実際はどんくらい税金が安くなんの?というのはその飲食店の儲かり具合によって税率が変わってくるのですが、65万円の控除を受けた場合、細かいことは抜きにしてザックリ少なくとも10万円くらいは税金が安くなります。「少なくとも」です。

 この青色申告特別控除というのは、単に所得税の払う金額が減るというだけのものではありません住民税国民健康保険料にも影響してくるのです。これが結構大事です。



純損失の3年間繰越控除のメリット

 そしてそして、小さな飲食店を開業するにあたって、これが結構大きなメリットになるんじゃなかろうか、というのがこれです。

 

純損失の3年間繰越控除

 そうです、赤字を3年間繰り越せるのです。飲食店を開業するのはそれなりのお金がかかります。店舗を借りたり、改装したり、什器にテーブルに椅子、まーとにかく最初にドンッ!とお金がかかってしまうわけです。

 ある年の10月にお店をオープンしたとします。最初の費用がなんだかんだーと1000万円かかったとします。頑張って、その年の末までに(初期投資をのぞいて)利益を100万円出しました。初期投資分を差し引くとマイナス900万円です。マイナスですからもちろん税金はかかりません。次の年、一年間頑張って、(これまた最初にかかった費用は入れないで)利益を500万円出しました。差し引くとまだ400万円のマイナスですが、青色申告でないと、昨年の赤字を繰り越せないので、500万円の利益に税金がかかってしまうのです!

 んなアホな!と思ってしまいますが、白色申告だとこーゆーことになっちゃうんです。

 でも、青色申告にしておけば、2年目はもちろん900万円の赤字を繰り越せるので税金はかかりません。3年目に600万円の利益を出したとしても、差し引き(ー1000万円+100万円+500万円+600万円)200万円のみに税金がかかるということになります。(細かいことはバッサリ抜いています。あくまでも青色申告のメリットをイメージしやすいように書いています)

 で、先にも書きましたが、所得税だけでなく住民税や健康保険料にも影響してくるのです。本当はまだ黒字じゃないのに、赤字が繰り越せないばっかりに、その年だけの利益を見て所得税がかかり、住民税がかかり、健康保険料が算出されるのです。いやマジありえないっす!!

減価償却の特例のメリット

 これ意外と見落としがちですが、飲食店を始める時って、大きな買い物いくつもしますよね〜、このメリットがあると助かるんです。

 

減価償却の特例

 これはどーゆーメリットかといいますと、30万円未満の物なら、ドンッ!っと経費に入れちゃっていいよ!ということです。

 1000円のフライパンを買ったら、経費として売上から1000円普通に引くことができます。が、10万円以上の物の場合、「減価償却(げんかしょうきゃく)」と言いまして、数年に分けてちょっとずつ償却していく(ちょっとずつ経費に入れていくような感じ)というルールになっています。この原価償却というのがま~ちょっとめんどくさい。

 で、青色申告で確定申告をしますと、30万円未満までなら(29万9999円まで)、1000円のフライパンとおんなじように一気に経費に入れていいよーというのが、この「減価償却の特例」です。

 青色申告、頑張ってやってみようと思ってはいるんだけど、いろいろ細かいことが分かんなくて大変なのよ!!という方にとってはこのわずらわしい「原価償却」をしなくて済むのはなかなかに助かるんじゃないかと。しかも、飲食店を始めるときに買い揃えなければならないものの中には10万を超えるものって結構あります。業務用の冷蔵庫、冷凍庫とかガスレンジとか、製氷機とか、パソコンとか。でも、30万円を超えるものって意外と少ないんじゃないかな〜と思ったりします。

 このメリットは最初だけではありません。飲食店を始めて何年か経ってからも、大きな買い物をするのってお店の売上が良い時ですよね。ちょーし悪くなった冷蔵庫買い換えたいな〜とか、ブログに載せる料理の写真を一眼レフのカメラで綺麗に撮りたいなーとか。

 でも、その翌年以降も売上がいいとは限りませんよね。売上のいい年にガッツリ経費として引けたほうが節税になりますし、翌年以降に持ち越さなくていいので安心ですよね。

青色事業専従者給与控除のメリット

最後に

 

青色事業専従者給与控除(あおいろせんじゅうしゃきゅうよこうじょ)

 これは、「青色専従者給与に関する届出書」を出すと、家族に支払った給料を経費にできるってものです。

 ええっ!!わざわざ届け出しないと家族に払った給料が経費にならないの?

 そうです!ならないんです!

 正確には”全部はならない”んです。白色申告の場合、配偶者で86万円まで、その他の家族従業員は50万円までしか経費として認められません。

 配偶者で86万円って、月々の給料に換算すると、7万円ちょいです。その他の家族なら50万円なので、月々4万円ちょっと。飲食店の場合、嫁さん(もしくは旦那さん)や親、兄弟に手伝ってもらったり、がっつり一緒に働いたりというケースも多いと思います。で、しっかり払っている給料が経費にならないなんて、ありえへん!!

というわけで、青色申告のメリットは飲食店、飲食業にとってかなり大きい!のです。ので、やっぱり「青色申告」にしてください^_^

 あ、そうそう、この青色申告ってやつは先に「所得税の青色申告承認申請書」ってのを出しておかないとできません。開業届と一緒にとにもかくにも出しちゃてください。出しちゃっても、かりに青色申告できなそうなら白色申告すればいいんです。

 とは言っても、会計ソフトを使えば青色申告ができないなんてことはありません。毎日の売上や仕入れを入力すれば、複式簿記で記帳して、青白申告のときに必要な帳簿も勝手に作成してくれます。

 飲食店を開業する前や、開業しちゃってからも初めての帳簿や確定申告がちゃんとできるか、不安な人も多いと思います。  ここで紹介している会計ソフトを使えば、飲食店の